首都圏環境美化センター

2023/02/08

産廃エキスパート(産廃プロフェッショナル)

産業廃棄物の運搬や処分は、資格なしではできない

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物のことです。これら産業廃棄物は、「収集・運搬」「中間処理」「最終処分」の3つの段階を踏んで、適正に処理しなくてはなりません。

産業廃棄物の収集や運搬は、誰でも自由に行えるものではありません。専用の許可を持った業者のみが、その業務を行うことができます。

それが産業廃棄物処理業者です。都道府県知事の許可である「産業廃棄物収集運搬業許可」を持った業者が、産業廃棄物処理業者になれます。

また、中間処理や最終処分を行う場合は「産業廃棄物処分業許可」を取得する必要があります。

産業廃棄物の不法投棄の現状

環境省によると、2020年4月1日現在で、産業廃棄物処理業の許可件数は20万8896 件となっています。このうちの9割が収集運搬業です。

出典 : 環境省 – 産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況

同省の「産業廃棄物の不法投棄等の状況」によると、2021年度に新たに判明した不法投棄事案は、107件(3.7万トン)、不適正処理件数は131件(9.4万トン)となっています。

不法投棄が多かった1998年度の1197件と比べれば、だいぶ減っていますが、それでも一定数存在することは間違いありません。

1 ) 2021年度に新たに判明した不法投棄事案

2 ) 2021年度に新たに判明した不適正処理事案

参照 : 環境省 産業廃棄物の不法投棄等の状況

                                                                                                                                                          

優良産廃処理業者認定制とは?

産業廃棄物を出した事業所(排出事業者)が、不法投棄や不適正処理を行う産業廃棄物処理業者とは知らずに依頼し、その過程で不正行為が発覚すると、排出事業者も責任を負うことになります。

しかし、20万以上ある業者のなかから、適正に事業に取り組む信頼のおける業者を探すことは難しい側面もあります。

こうした点を考慮し、各都道府県では「優良産廃処理業者認定制」を設置しています。廃棄物処理法に基づき、通常の許可基準よりも厳しい基準をクリアした優良な産業廃棄物処理業者を都道府県・政令市が認定するという制度です。

埼玉県の処理業者であれば、埼玉県での認定を受けます。その処理業者が東京都や神奈川県でも事業を行っている場合は、それぞれの地域でも認定を受ける必要があります。

 

認定を受ける際、チェックされるのは次の5つの基準です。

①実績と遵法性
5年以上の産業廃棄物業の実績があり、この期間、不利益処分を受けていないこと

②事業の透明性
会社の情報、取得済の許可、産業廃棄物の処理状況などをインターネットを通じて広く公表していること

③環境配慮の取組
ISO14001やエコアクション21といった認証を受けてい、環境に配慮していること

④電子マニフェスト
電子マニフェストシステム(jwnet)に加入し、電子マニフェストが利用できること

⑤財務体質の健全性
直前3年の事業年度のいずれかで自己資本比率が10%以上で、また法人税を滞納していないこと

この許可を受けると、許可証に「優良」と印刷され、各都道府県のホームページなどで公開されます。排出業者は、優良な産業廃棄物処理業者を探しやすくなるというわけです。

産廃エキスパート、産廃プロフェッショナルとは?

各都道府県では「優良産廃処理業者認定制」を実施していますが、これとは別に、東京都では、優良な産業廃棄物処理業者を認定する独自の第三者評価制度を設けています。

それが「産廃エキスパート」と「産廃プロフェッショナル」です。第三者評価機関として都が指定した公益財団法人東京都環境公社が評価・認定します。

産廃エキスパートが、上位に位置付けられます。

産廃エキスパート、産廃プロフェッショナルのチェック基準とは?

産廃エキスパートと産廃プロフェッショナルの認定を受けるには、下記の許可区分のいずれかの許可を都道府県で取得して、1年以上経過していることが前提です。

(1)産業廃棄物収集運搬業

(2)産業廃棄物収集運搬業

(3)産業廃棄物中間処理施設

第三者評価機関によって「遵法性」「安定性」「先進的な取り組み」が定められています。これらの評価基準により、認定されます。

産廃エキスパート・産廃プロフェッショナル取得のメリット

認定を受けることにより、産廃エキスパート・産廃プロフェッショナルのロゴをホームページや名刺などに表記することができます。「優良産廃処理業者認定制」とともに、広くアピールできることがメリットです。

また、東京都の場合、ホームページに認定業者名として公開されるので「優良企業・法律遵守の業者」として周知されます。

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